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2016-11-09

「ヒラリー勝利」の前提で忘れられていること

「史上最悪」といわれた米国大統領選挙。まもなく新大統領が決まるわけだが、執筆時点(11月8日)ではヒラリー・クリントン候補が優勢といわれている。だが、金融市場は完全に落ち着いたとはいえない状態だ。米大統領選の状況は、英国のEU離脱決定直前とは違う
「クリントン大統領誕生」を織り込みに行っていた市場に冷水を浴びせたのが、同氏の私的メール問題だった。いったん勝負があったはずの醜い戦いが、再び土俵中央まで戻されたことで、市場では「もしトラ」リスク(もしもトランプ氏が大統領になった場合のリスク)が強く意識されることになった。
その結果、米国株式市場では代表的株価指数であるS&P500が1980年以来36年ぶりの9日連続下落を記録。FBI(米連邦捜査局)が訴追しないことを決めたことから7日の米国市場は急反発したものの、なお不安定な動きが続く。もしトランプ大統領が誕生したら、金融市場は6月の英国EU離脱ショックと同様、大きなショックに見舞われるという見方も根強い。
しかし、こうした見方は市場の動きを無視したものだといえる。政治的イベントに向けての市場の動きという点においては、英国国民投票の時と今回の大統領選挙は若干異なっているからだ。
6月の英国の国民投票を思い出して欲しい。この時は、離脱派優勢と見られていた中で起きた残留派の女性下院議員射殺事件によって、世論が一気に残留に傾いたと思われた。その中で、国民投票を迎えた。
これに対して今回の大統領選挙は、いったんクリントン大統領誕生で決まったかに思われた後、大統領選の直前に、「もしトラ」リスクが台頭した。
つまり、英国国民投票の際には市場は「ガードを下げる」なかで政治的イベントを迎えたのに対して、今回の大統領選挙はFBIの訴追なしが決まったとはいえ、全体としては「ガードを上げる」中で迎えているという違いがある。
ただ、状況は複雑だ。確かに市場の短期的反応は、クリントン大統領誕生となれば株高、ドル高に、トランプ大統領誕生となれば、その反対になる可能性は高い。
少し前なら「もしトラ」リスクが現実のものになったとしても、まさかに備えてガードを上げてきた市場の反応は、巷で言われているほど大きなものにはならず、一時的なものに留まる可能性が高かったはずだ。
だが再度クリントン候補優勢が伝えられる中、市場のリスクは低下している。ここで忘れてはならないのは、市場が見込む「もしトラ」リスクの多寡と、トランプ大統領誕生が現実になった場合の市場の反応は逆相関の関係にあるということ。市場が認識する「もしトラ」リスクが低下したということは、リスクが顕在化した場合に市場は打たれ弱くなったということだ。
中期での「もしクリ」リスクが軽視されている
むしろ筆者には、相対的に「もしトラ」リスクが低下するなかで、「もしクリ」リスク(クリントン大統領が誕生した場合のリスク)が、軽視され過ぎているように思われる。これこそが大きな懸念材料ではないか。
どういうことか。そもそも「もしトラ」リスクが高まった大きな要因は、クリントン候補の不人気だ。今回、私的メール問題が不訴追になったことで「もしトラ」リスクは低下したかもしれない。しかし、それはクリントン候補に対する支持が積極的に高まった結果ではなく、トランプ候補からの口撃によってこれ以上の支持率低下を食い止められるだろうという、消極的なものでしかない。
つまり、最大の「もしクリ」リスクは「クリントン大統領が誕生すれば政策的継続性が維持される」という漠然とした期待が強過ぎることだ。
確かに、外交的な部分ではその通りだと思われる。だが、経済政策に関しては、民主党候補者選びの中で、ライバルで社会主義者に近いともいわれるバーニー・サンダース氏の主張を取り入れて来ており、オバマ政権との政策的継続性が維持される保証は、言われているほど高くない。
会計事務所のデロイトトーマツグループが発表した調査結果によると、日本企業の最高財務責任者(CFO)の7割が「トランプ大統領誕生が米国経済の最大のリスク」だと考えており、「クリントン大統領誕生がリスク」だと考えているのは僅か5%にとどまっている。こうした調査結果は、日本企業が「もしクリ」リスクに対する備えをほとんどしていないことを示唆するものである。
今回の大統領選挙が、市場にとって「透明性が高まると感じる結果」になるか、「不透明性が高まると感じる結果」になるかは、今の時点では定かではない。
確かに、短期的な市場の反応は巷で言われている通りのものになるだろう。しかし、中長期での反応という観点では、クリントン大統領誕生に対して過剰な安心感を持っているという点において「もしクリ」リスクの方が大きいことは、頭の片隅に置いておく方が賢明だ。
日本は、米国に影響されることは、多い。良い社会になればいいのですが、     今日も元気で!                              
肌のケア忘れずに




























































































































































































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